概要

エンディング業界に属する上場企業各社のうち、3月を決算期とする会社の平成29年半期決算が出揃った。7社中3社が増収増益決算。4社は減益となっている。

増収増益 平安レイ、こころネット、廣済堂(葬祭セグメントのみ)
増収減益 サンライフ、ニチリョク
減収減益 はせがわ、燦ホールディングス

各社の概要は以下の通り。

2344 平安レイサービス株式会社

平安レイ決算

売上高 4,863百万円(前年同期比 9.2%増)、経常利益 961百万円(同 24.3%)と、増収増益を達成した。前年度に開業した3会館が通年稼働となったことが売上高の増加に寄与した。これが9月に新会館がオープンに伴う営業費用を吸収し、トータルでも売上の伸び以上の利益の伸びを確保することができた。
同社では、来春に介護施設のオープンを予定しており、業務の多角化を進めている。

4656 株式会社サン・ライフ

サンライフ決算

売上高 5,388百万円(前年同期比 1.6%増)、経常利益 401百万円(同 △0.2%)と、増収減益となった。売上については、ホテル事業がウェディングが不振で売上高が前年度割れしたが、式典事業(葬祭)は新斎場のオープンが好調だったことなどから増収、介護事業も前年同期比10.6%の伸びをみせたため、トータルとしてプラスになった。一方で新斎場の開業に伴い営業費用が増加し、経常利益は前年同期比-2.4%となっている。

6060 こころネット株式会社

こころネット決算

売上高 5,767百万円(前年同期比 1.1%増)、経常利益 520百万円(同 105.3%増)と、利益が昨年同期比で約2倍になった。前年同期は利益を減らしていたが、その分を吸収しさらに上乗せしている。同社は①葬祭事業、②石材卸売事業、③石材小売事業、④婚礼事業、⑤生花事業、⑥互助会事業、⑦介護事業、⑧その他の事業、と多岐にわたる事業を行っている。この内、増益に大きく寄与したのが葬祭、石材卸、石材小売の各事業。生花事業も需要は低調ながらコストを削減し前年同期を上回る利益を上げた。婚礼も黒字転換している。一方互助会、介護などの事業は足を引っ張る結果となった。

7578 株式会社ニチリョク

ニチリョク決算

売上高 1,800百万円(前年同期比 5.6%増 )、経常利益 △44百万円(前年度は7百万円の黒字 )と、増収減益になった。霊園事業は売上736百万円で前年同期比13.6%増、堂内陵墓事業は売上高が365百万円で前年同期比9.9%といずれも増加となった。特に堂内陵墓事業は両国陵苑(東京都墨田区)が好調。一方、葬祭事業では、施行件数は堅調に推移したものの、単価の下落が大きく、売上高が697百万円で前年同期比マイナス3.5%となった。この葬祭事業のために広告費をかけたことなどから赤字となった模様。
同社は11月2日に下方修正を発表しているが、その際に通期の業績予想は変更しておらず、引き続き、平成29年3月期は売上高 3,688百万円、経常利益 207百万円を見込んでいる。

7868 株式会社廣済堂(葬祭セグメント)

廣済堂決算

廣済堂の葬祭セグメントは、売上高 3,720百万円(前年同期比 0.0% )、経常利益 1,341百万円(同 10.3%増)と、増収増益となった。売上高・経常利益率は36.0%と、高い水準を保っている。同社では、平成27年2月から平成28年11月まで四ツ木斎場の建て替えを行っており、その影響で前々年より売上を9%程度落としているが、次の四半期より稼働を開始するため、業績が回復することが見込まれている。
なお、情報セグメント(出版など)など、他の事業を合わせた業績は売上高 16,157百万円(前年同期比 △2.8%)、経常利益 648百万円(同 137.6%増)となっている。

8230 株式会社はせがわ

はせがわ決算

売上高 9,681百万円(前年同期比 △1.6%)、経常利益 312百万円(同 △26.9%)と、減収減益となった。同社の売上の構成は、仏壇仏具が68.3%、墓石が25.6%、屋内墓苑を含むその他の商品が6.1%となっている。仏壇仏具及び墓石については、販売件数は堅調だったものの、単価の下落が響いた模様。屋内墓苑については、7月に5物件目となる「熱田の杜 最勝殿」もオープンしている。

9628 燦ホールディングス株式会社

燦ホールディングス決算

売上高 8,648百万円(前年同期比 △2.8%)、経常利益 557百万円(同 △26.9%)と、減収減益となった。当期中において、同社は新規オープンが3箇所、リニューアルが3箇所と、営業面、施設面での大きなテコ入れを行っている。一方で、単価の高い大規模な葬儀が減ったことから売上が減少ししている。費用面においては、本社移転などにより固定費が圧縮できたものの、新規会館オープンに関わる諸経費がかさみ、前年度と同等となったため、利益は大幅に減少する結果となった。
同グループでは中期経営計画の初年度として、平成29年3月期において、売上高188億円、経常利益17.2億円を見込んでいる。

まとめ

7社中4社が減益となる厳しい内容の決算となった。各社から一様に聞こえてくるのが「件数は維持できたものの、単価の下落に歯止めがかからなかった」「競争激化による広告費の支出増が響いた」といったものであった。
その中で、いち早く新規店舗の展開、新商品の発売、既存店舗・商品のリニューアルといったことに手を付けているところから業績が上向いて来ている。
昨年度の冬の死亡者数は、その前の年度とほぼ同じで、印象としては件数が少なめであったと聞く。今年、その反動があるのか、件数の増加よりも単価下落の影響のほうがさらに大きいのかが、下期の決算発表の内容を左右することになるだろう


ティア決算
なお、11月8日に株式会社ティアが通期決算を発表している。同社は5期連続での増収増益となった。詳しい記事はこちら