自動車の小売りと買い取りのフランチャイズチェーン「カーセブン」を運営するカーセブンディベロプメント(東京都中央区)が、クルマの「終活」をテーマとした取り組みを開始した。今年1月から1か月間、「クルマの終活相談」サービスを全国で実施。消費者の反応を見極めながら、今後の展開を検討していく。

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地方に住む親のクルマについて、店舗に相談が寄せられるケースが増えている

●継続的な取り組みに意欲

「クルマの終活相談」を開設したのは、亡くなった方のクルマの相続についての遺族からの相談や、自動車免許の自主返納に伴う高齢者からの買取り依頼が増加していることが背景。故人のクルマを売却したり名義変更する場合は、筆頭相続人の印鑑証明書などの書類、法定相続人すべての同意を示す書類が必要になるなど、手続きが煩雑で手間がかかる。所有者がローン会社になっていた場合にはさらに複雑化する。

こうしたことなどから、高齢の親を持つ子どもからの相談が「カーセブン」各店舗に寄せられるケースが出てきているという。特に「地方に住む親御さんのクルマについて、息子さんから相談されるケースが増えてきた」(手塚マネージャー)ことから、今回、年末年始で実家に帰省する人をターゲットに1月に「クルマの終活相談」を実施した。

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手塚真司・マーケティングディビジョンマネージャー

 従来から設けているウェブサイトの問い合わせフォームに加え、本部に新たに設けた専用フリーダイヤルで問い合わせに対応。本部で一括して相談を受け、担当エリアに引き継ぐという流れとした。今回は実験的な取り組みではあるが、「今後も継続的に取り組んでいきたい」と意欲を示している。

●70歳以上の所有者の買い取り件数が前年同期比1.6倍に

同社がクルマの「終活」をテーマとしたビジネスに力を入れているのは、人々がクルマを売るタイミングの変化も影響している。従来は、結婚・出産・引っ越しなどのライフステージやライフスタイルの変化がクルマを乗り換えたり売却する理由の中心だったが、最近の傾向では、「相続をきっかけとする人が増えてきている」からだ。若者のクルマ離れや少子高齢化が、クルマのライフステージにも反映している。実際に同社だけでも「70 歳以上の所有者の買い取り件数が、今夏、3年前の同じ時期に比べて1.6倍に増加した」という。

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「クルマの終活相談」サービスのバナー広告イメージ

 こうした背景からも同社では、全社的に打ち出している「安心宣言」のもと、高齢の親を持つ子ども世代の相談に対応するとともに、高齢者向けには、安全性を追求した新車や中古車への買い替え需要を喚起していく。

このほか、葬儀社との提携についても模索を始めている。親の葬儀の事前準備や自身の終活を考えたときに、クルマの売却や名義変更は後回しになりがちだが、終活の一つとして、遺族や終活に取り組む人の需要を喚起していく考えだ。

(月刊仏事 2017年 2月号より)

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